文化放送2023年春の改編の意味を考える。
おいもう12月だぞ!という声が聞こえる気がするがもちろんわかっている。
毎日ラジオに浸る日々だがそこまで気は触れていない。
ずっと考えていた文化放送の今年の春の改編の意味を。
好きでも嫌いでもなかった大竹まことのゴールデンラジオのポッドキャストから入って
それからいろんな番組を聴くようになった割とありがちな流れかな。
その文化放送のこの春の改変は当初手堅く後ろ向きな選択に思えた。
あまり未来を感じられないという点でだ。
文化放送から生まれたラジオレジェンド・吉田照美と長年文化放送の若者向け深夜帯のレコメン!を担当していたオテンキ・のりのコンビの新番組「てるのりのワルノリ」に
看板番組である大竹まことゴールデンラジオ!を担当する大竹まことの所属する市ティーボーイズの新番組「SAYONARAシティーボーイズ」。
もちろん絶大な支持はあるし世間の70代に比べれば若いけど。。。
今はいいけどこの先は大丈夫なの?と心配になった気がする。
その春の改変から8ヵ月。その意味がやっと分かってきたような気がする。
それは良い悪いじゃなくつなぐことに意味があったのだということ。
まず、「SAYONARAシティーボーイズ」。
タイトルから感じ取れる通り、シティーボイーズの終活ラジオ感はある。
しかし、それだけではなく冒頭のラジオコントは今も戦い続ける姿勢を見せてくれるし
3人が短い日記を紹介しあうダイアリーショーもいいコーナーだし
たまにあるリスナーからの悩み相談も受け止め方がやさしくてすごくいい。
昔は尖りまくっていたらしいシティーボーイズ(僕はヤングだからよく知らない)がこんなおじいちゃんの柔らかさを見せてくれるなんてなんか素敵で聴いてしまう。
きたろうのしゃべりなんて柔らかすぎて今にもとろけてしまいそうだ。
Amazonオーディブル配信版は聞けていないが、本放送だけでも十分楽しめる。
いつか悩みを相談したいと思っている。そんな想いにしてくれるラジオだ。
次に「てるのりのワルノリ」。
当初は土曜日の夕方30分・2部体制の番組だったが10月からは土曜日昼の2時間番組に枠拡大したこの番組。
番組開始当初はかなりの不協和音がしている感じが放送からも伝わる感じだった。
まぁ吉田照美とオテンキ・のりのトークのかみ合わなさがすごかった。
伊集院チルドレンらしいのだが、オテンキ・のりのおもしろさがレコメン!も通ってきてないので本当にわからなくて放送内の吉田照美同様真面目にムカついていた。
力量の差がありすぎてなんでこの組合わせにしたのだろうと何度も思わされたが、3ヵ月くらいして吉田照美が歩み寄ったかなって感じで徐々に良くなってきたと思う。
オテンキ・のりはレコメン!を10年以上やっていたらしいのでそういうものを求められているからなのかあまりスタイルを変えなかった印象。
8ヵ月以上聴き続けてやっとこういうのもありなのかなとやっと自分の中で変わってきた感じかな。
自分の年齢的にはのりに近いのだけれどリスナーとしては完全に吉田照美派の人間なのでちょっと見方は偏ってしまったが、世代間ギャップも価値観の違いも乗り越えていくようないい雰囲気が出てきた番組だと思う。
2番組を聴いてきて感じたことは、上の世代が見せてくれるものを下の世代はその何割かその何パーセントでも受け取れればいいな、その為につないでいくんだなということ。
親父の背中を見て育つじゃないけれど、もうそんなの古いと切り捨てるのも簡単だけど。
自分自身40近くなってきてすごくそういうことを考えさせられた。
文化放送の2023年の年間キャンペーンキャッチは「好きがつながる文化放送」。
ラジオも厳しい時代だとは思うけれど、つなぐこと、つなごうとすること、それが大事なのかもしれない。
そう考えると決して後ろ向きではなく前向きな改編だったと思えるのである。